2012年8月12日日曜日

短歌:更新 8/12






<何でもないただの一日を歌にする、楽しさが少しわかった気がした>
 草叢の酢漿草の花揺らしつつ お向かいの猫 庭を横切る 

人みなが無事にと願う暑い日よ逃げ水は逃げひまわりは耐え

2012年8月6日月曜日

2012年8月5日日曜日

短歌: 20120805 山に棲む日々から




森を往くわれ囲繞まむとする音の暫しくありてふっと止みけり

蝶と往く暗道まがり別れ来ぬ見よそれぞれに青き空あり

2012年8月2日木曜日

短歌:20120802



――永遠ということをわが身の内にあると知りしことを――

投げ入れて百合の白さに永遠を見き訣れしいまは今は今なり

.

2012年8月1日水曜日

夏バテの痩身一躯 ひっ下げて 灼けた舗石にたつ 影ありき




<十五歳の夏の思い出>

夏バテの痩身一躯 ひっ下げて 灼けた舗石にたつ 影ありき

声嗄らし 上本町の路上にて 被爆者援護の 募金を言いき

<夥しい死者を憶う、八月はそういう月>

八月の旬日すべて我が忌日 鐘鳴らしたし 音たてぬ 鐘

いつまでも鳴らさむ鐘よ 響きのみ 海上の果て 伝わりて 行け

海眠り 山は静もる 朝影に君待つも我れ 翁となりぬ

去年 今年 己が言語の衰えて 君呼ぶ声も弱る 口惜し

八月の死者に呼ばわる者達のいのちはひとつ 願うもひとつ