夏バテの痩身一躯 ひっ下げて 灼けた舗石にたつ 影ありき
<十五歳の夏の思い出>
夏バテの痩身一躯 ひっ下げて 灼けた舗石にたつ 影ありき
声嗄らし 上本町の路上にて 被爆者援護の 募金を言いき
<夥しい死者を憶う、八月はそういう月>
八月の旬日すべて我が忌日 鐘鳴らしたし 音たてぬ 鐘
いつまでも鳴らさむ鐘よ 響きのみ 海上の果て 伝わりて 行け
海眠り 山は静もる 朝影に君待つも我れ 翁となりぬ
去年 今年 己が言語の衰えて 君呼ぶ声も弱る 口惜し
八月の死者に呼ばわる者達のいのちはひとつ 願うもひとつ
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